置いてけぼりの孤独の果てで「アド・アストラ」感想

好き勝手な親のエゴに苦しむ子供というとても共感できる内容だったので、全ての同じ境遇の人たちへの感想。

 

更なる深淵と孤独の中へ突き進む道を選ぶのなら、どうしてそもそも、私たちを生んだのか。

あなたのようになりたいと、崇められ讃えられ、どこに行ったってあの人の息子だと囁かれる。

あなたのように孤独であればいい、そうして作り出した世界は、どうしてこんなに息苦しいのか。

 

私たちは本質的には太陽系を回る惑星や、衛星や、海王星の輪を作る岩と同じ。

一定の距離を保ちながらずっと交わることなんてない、孤独の群衆。

どこに行っても、どんなに遠くへ離れても、あなたはその孤独に正解なんて見出せない。私たちは1人ではなかった。きっと地球から出れば、月へ行けば、火星を目指せば、そして太陽系を出れば。仲間が見つかる、なんて、そんなことは幻想だ。

答えなどあの日抱きしめた息子が持っていたのに。

行けばいい。あなたはあなたの道を。

突き進め。私たちなど置いて。

振り返らず、更なる果てを目指せ。

そしてどうか、私を自由にして。

 

私たちはここに残るの。置いてけぼりにされた孤独同士を乗せて、回る惑星の中に。